アストンの次期ボンドカー「DB12」はなぜ偶数名? 意外な理由と試乗まとめ
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 19
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 19
ここ最近、特にプレミアムなニューモデルはもはやモーターショーではなく、様々なイベントでアンベールされるのが潮流になってきたが、アストンマーティンの最新モデル「DB12」も、今年のカンヌ映画祭で初公開された。
DB12は2016年に登場した「DB11」の後継モデルだが、これまでのような奇数ではなく偶数が与えられていて、これは量産モデルとしては1965年の「DB6」以来の出来事だ。この文字通りの“番狂わせ”については諸説があるが、「13」が嫌われたとか「11のフェイスリフトなので、13ではなく12」などと聞こえてくる。
>>DB11ってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>DB11の気になる点は? みんなの質問はこちら
>>DB11の中古車情報はこちら
確かに接着工法のアルミ製ボディ構造は共通で、ドアやルーフはDB11からのキャリーオーバーなのだ。また、ボディサイズも全長4.73×全幅2.06m、ホイールベースは2.81mで、1.69トンの空車重量などもほぼ同一である。
ただしフロアの強化、エンジンマウントやリアのバルクヘッドの強化などによって捻じれ剛性は7%向上している。タイヤもアップグレードされ、フロントに275/35ZR21、リアには315/30ZR21のミシュランパイロットスポーツが標準装備となった。
エクステリアデザインはリア部分などに現行DB11の面影が残るが、ボンネットがフェンダー一体型のクラムシェルタイプから通常の構造に変わったこともあってその印象はかなり違って見える。さらにフロントグリルは低くワイドになり、全体的な印象はフェラーリやランボルギーニなどのエグゾチックスーパースポーツカーのようだ。
>>アストンマーティンのラインアップ情報はこちら
>>フェラーリのラインアップ情報はこちら
>>ランボルギーニのラインアップ情報はこちら
一方、全く新しくデザインされたインテリアはワイドな水平基調のダッシュボードがキャビンを広く見せている。リアへ長く伸びたセンターコンソールには10.25インチのタッチスクリーン、その後方にセレクトレバーなどのスイッチ類が整然と並んでいる。
インフォテイメントはアストン独自の新しいOSを搭載。アップルカープレイやアンドロイドオートなどとのオンライン接続も可能で、ソフトウエアのアップデートはOTA(オーバー・ジ・エア)で完結する。オーディオはハイエンドのバウアーズ&ウィルキンス製の1170Wのスピーカー15個が配置されている。
一方、心臓となるパワートレーンも一新されている。ベースはこれまで通りAMG製の4.0L V8ツインターボ(メルセデスAMGのM177ユニット)だが、プロファイルを変更したカムシャフト、大径ターボや新設計の2段階クーリングシステムなどで最高出力680馬力、最大トルク800Nmへと向上している。
ちなみにHEVやmHEVなど電気の助けは一切借りない古典的なパワープラントだが、ドライブロジックは新たに5段階となっている。組み合わされるトランスミッションはZF製8速ATで、短縮されたシフトタイミングや3.083と低くなったファイナルによって0-100km/h加速=3.6秒(※4秒)、最高速度=325km/h(※309km/h)とハイエンドスーパーGTに相応しいダイナミック性能を得ている。※はDB11の数値。
テストコースはモンテカルロ郊外に続くオートルートおよびラリーで有名なアルプスの峠道である。トランスアクスルレイアウトによって48対52と理想的な重量配分を与えられた2+2クーペはDB11比でトレッドがフロントで6mm、リアで22mm拡大し、オートルートでは格調高いインテリアと豊かなサウンドを楽しめる快適なハイスピードクルージングを提供してくれる。
さらにWRCのスペシャルステージにも使われる峠道では新たなキャリブレーションを与えられたEPS(電動パワステ)の適度に軽く、路面からの確かなフィードバックを伝えるステアフィールによって、ヒラリヒラリとサイズと重さを感じさせない軽快でスポーティなハンドリングを見せる。
ちなみにESP効果は4段階にプリセット可能で、路面状況とドライバーの腕前によっては絶妙なドリフトアングルも可能だ。またフロント400mm/リア360mmのローターをもつベンチレーテッドディスクブレーキは長く続く下り坂では頼もしい制動力と絶妙な制動フィールを発揮してくれた。
このDB12は欧州では今秋からデリバリーが開始される予定だが、まだ価格の発表は行われていない。予想ではおそらく23万ユーロ(約3600万円)と言われている。一方、日本では5月に価格も発表され、こちらは2990万円~となっているが、通常選ぶオプションなどを合計すると、同様に3700万円前後になるという(※編集部調べ)。
ところでアストンマーティンはこのDB12の発表直後の5月に中国の吉利汽車(ジーリー)へ、2億3400万ポンド(およそ430億円!)で17%(4200万株)の株を売却し、吉利は第3位の株主となった。この芳醇な資金を得て110年目を迎えた同社は一層の安定した企業運営が期待される。オープンタイプのヴォランテもスケジュール通り来年中には発表されるだろう。次期ボンドカーとしても十分な活躍をするに違いない。
>>DB11ってどんなクルマ? 価格やスペック情報はこちら
>>DB11の気になる点は? みんなの質問はこちら
>>DB11の中古車情報はこちら
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
フェラーリ代表、ニューウェイ獲得交渉の状況明かさず。「長期的な話もしているが、今はチームのメンバーを信頼している」
街乗りでも効果絶大! アライメント調整で車の走行性能をアップさせる方法~カスタムHOW TO~
マツダスピリット レーシング RS【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
6月2日はもてぎに集まれ! サーキットツーリングもできる「HondaGO BIKE MEETING 2024」実施コンテンツの全貌が明らかに
【私の相棒・愛車自慢】MINIは一度は乗っておくべきクルマといいつつ、決め手は妻の好みでした。by 岡本幸一郎
スバル新型「最上級SUV」発表! 約800万円の「新モデル」に反響多数!? 全身オシャブルーな「アウトバック プラチナクロス」独に登場
VW新型「ゴルフGTI」欧州で先行販売開始 光る“VWバッジ”初採用!20馬力アップの265馬力となった新型の気になる価格とは
「おいおい、勘弁してくれ…」車に血痕、突然過ぎて気持ち悪い。一体なぜ?
日産「新型3列ミニバン」発表! 全長5m級&大開口スライドドアの「エヴァリア」欧州に!? 海外での反響は?
「ジョーダンじゃねえっ くそったれがァ!!」『頭文字D』赤城レッドサンズのナンバー2 高橋啓介のFD型無線マウス
[知らないと道交法違反!?]タイヤにある△マークの意味
[ホンダ]の10年先はホントに大丈夫なのか!? [BEV]までのつなぎとなる[PHEV]を考えていない三部社長の判断やいかに?
【悲報?】販売好調の人気SUV「ヴェゼル」が商品改良で“大穴グレード”を落とした大人の事情
「シエンタ」が商品改良。変更点は少ないが、ハイブリッド7月、ガソリン8月と納期が大きく改善
イタリア語で「12気筒」を意味する新型フェラーリは「デイトナ」似。SDGs時代もV12は不滅?
【円安効果はごく一部!】国産自動車メーカー好調の理由は日本お得意の“着実な積み重ね”にあった
【今わかること比較】走りと後席の快適性は新型「フリード」優勢。「シエンタ」に勝る点、劣る点
【VIPの隠密仕様】アルヴェル4人乗り「スペーシャスラウンジ」準備中。目立ちすぎLMより本命
【装備充実】ミドルサイズSUV「F-PACE」にジャガー90周年特別仕様車を追加 917万円から
スバル「レガシィ」生産終了。あなたが最も印象に残っているのはどのモデル?【写真でチェック】
三菱の軽EV「eKクロス EV」一部改良。グリーンやライラックのお洒落系カラーも登場。価格上昇は控えめ